「さあ、わたしの父に祝福された人たち。世の初めから、あなたがたのために備えられた御国を継ぎなさい。 あなたがたは、わたしが空腹であったとき、わたしに食べる物を与え、わたしが渇いていたとき、わたしに飲ませ、 わたしが旅人であったとき、わたしに宿を貸し、わたしが裸のとき、わたしに着る物を与え、わたしが病気をしたとき、 わたしを見舞い、わたしが牢にいたとき、わたしをたずねてくれたからです。」
すると、その正しい人たちは、答えて言います。
「主よ。いつ、私たちは、あなたが空腹なのを見て、食べる物を差し上げ、渇いておられるのを見て、 飲ませてあげましたか。いつ、あなたが旅をしておられるときに、泊まらせてあげ、裸なのを見て、 着る物を差し上げましたか。また、いつ、私たちは、あなたのご病気やあなたが牢におられるのを見て、 おたずねしましたか。」
すると、王は彼らに答えて言います。
「まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちの ひとりにしたのは、わたしにしたのです。」
マタイの福音書25:34-40
愛なる主は失業中の私に、アパートを貸してくださる方を起こしてくださいました。
主によって与えられた家なので、主の働きに広く用いていただきたいと、私物は極力、 押入れに納めることとしました。
それで、かつて通販で購入した安物の組立式家具、幅60㎝×高さ180cmほどの上下二段の合板クローゼットを、 上下に切り離して、押入れに納めようと計画しました。
しかし、のこぎりで切るのは相当に困難なので、電動工具製造メーカーに勤務しておられる方から 電動のこぎりをお借りできないかと考えました。
その方には、前職の営業時代にお客様として知り合いましたが、とても面倒見の良い方で、 いつも少し高めのハードルを用意しては、営業マンとして鍛えていただきました。
彼は引越しまでの短い日程に合わせて、多忙な中で工具を調えて駆けつけてくださいました。
私の計算では、真ん中と、足台の二箇所を切断することになっており、既に線引きしていましたが、 彼は慎重に合板を叩いては、音の変化を聞き、見えない部分の構造に細心の注意を払いました。
そして、隠れた金属を察知して、その金属を避けて切断するように、新しい線を引き直しました。
新しく線引きされた家具を測り直すと、なんと一箇所の切断でぎりぎり押入れに納まりそうでした。
切断後も、かつて私がいい加減に組み立てていた背板のゆがみにまで目を留め、接合部分の木ねじをていねいに カッターで削ってはめ直し、真っ直ぐで気持ちの良い家具にしてくださいました。
その家具は、新居の押入れにジャストサイズで見事に納められました。
彼が心を砕いて製作してくださったこの芸術的な家具は、見えないところに納められていますが、隠れたところ、 人の目には見えない心遣いや、働きの大切さを、多く教えられる新しい宝物となりました。